コンクリートの地面に、眩しいくらいの初夏の光が照りかえっている。
真っ白な入道雲が沸き立つ7月の半ば、デートの日はやって来た。
待ち合わせ場所に立つ颯ちゃんは、水色のシャツにジーンズ姿だ。私用の時は眼鏡をかけていることが多い颯ちゃんは、今日も黒ぶち眼鏡をかけて、涼やかに立っている。
「こんにちは。おま、おまたせしました」
そこに一人の女性がやって来た。
「僕も今来たところですよ、雪乃さん」
雪乃さんを取り巻くビタミンカラーが跳ねるように揺れている。
緊張と動揺と、隠しきれない幸福感。その色彩は眩しいくらい綺麗だった。
柔らかな素材の服を身に着け、スカートをはいている雪乃さん。ネックレスも耳元で揺れるピアスも全て女の子らしい。先日、聞香処で見た雪乃さんよりも、さらに女性らしい「デート用」の服装だった。
太陽の光のせいだろうか。
彼女の色合いは、いつもよりもオレンジ色よりも薄い色に見える。
人の動きが陰になり、雪乃さんから太陽の照り返しが消えた時、彼女の持つ色がはっきりと見え、私はハッと息を飲んだ。
真っ白な入道雲が沸き立つ7月の半ば、デートの日はやって来た。
待ち合わせ場所に立つ颯ちゃんは、水色のシャツにジーンズ姿だ。私用の時は眼鏡をかけていることが多い颯ちゃんは、今日も黒ぶち眼鏡をかけて、涼やかに立っている。
「こんにちは。おま、おまたせしました」
そこに一人の女性がやって来た。
「僕も今来たところですよ、雪乃さん」
雪乃さんを取り巻くビタミンカラーが跳ねるように揺れている。
緊張と動揺と、隠しきれない幸福感。その色彩は眩しいくらい綺麗だった。
柔らかな素材の服を身に着け、スカートをはいている雪乃さん。ネックレスも耳元で揺れるピアスも全て女の子らしい。先日、聞香処で見た雪乃さんよりも、さらに女性らしい「デート用」の服装だった。
太陽の光のせいだろうか。
彼女の色合いは、いつもよりもオレンジ色よりも薄い色に見える。
人の動きが陰になり、雪乃さんから太陽の照り返しが消えた時、彼女の持つ色がはっきりと見え、私はハッと息を飲んだ。