「颯也くん、きれいやなぁ。一香がうっとりするのもわかるわ」
「うう、うっとりなんて、してないからっ」
「うっとりじゃなかったら、ドキドキか? 一香、顔真っ赤やで。ほんまわかりやすいな」
恭太郎にもバレバレな私の恋心は、実は祖母にもバレバレで。
後から聞いた話だと、颯ちゃんが淡路へ行ったことを私に知らせなかったのは、同じ関西圏にいるのなら、颯ちゃんに会いたい! と私が駄々をこね、修行の邪魔をするかもしれないという考えによるものだった。
颯ちゃんがこちらへ戻ってくる保証も、香司になれるかもわからなかったので、恋心を抱く孫娘が下手に傷つかないように隠していたそうだ。後、もう一つ理由があると言っていたがそれは教えてはもらえなかった。
そんな祖母は、恭太郎にも口封じをし、颯ちゃんに関するすべての情報を止めていたのだ。
「ほんまに帰ってきてくれるとは、思ってなかったしなぁ」
祖母は写真の中の颯ちゃんを指で撫でて言った。
「うう、うっとりなんて、してないからっ」
「うっとりじゃなかったら、ドキドキか? 一香、顔真っ赤やで。ほんまわかりやすいな」
恭太郎にもバレバレな私の恋心は、実は祖母にもバレバレで。
後から聞いた話だと、颯ちゃんが淡路へ行ったことを私に知らせなかったのは、同じ関西圏にいるのなら、颯ちゃんに会いたい! と私が駄々をこね、修行の邪魔をするかもしれないという考えによるものだった。
颯ちゃんがこちらへ戻ってくる保証も、香司になれるかもわからなかったので、恋心を抱く孫娘が下手に傷つかないように隠していたそうだ。後、もう一つ理由があると言っていたがそれは教えてはもらえなかった。
そんな祖母は、恭太郎にも口封じをし、颯ちゃんに関するすべての情報を止めていたのだ。
「ほんまに帰ってきてくれるとは、思ってなかったしなぁ」
祖母は写真の中の颯ちゃんを指で撫でて言った。