「僕、もうすぐ二十歳になるんです。いよいよ大人の年になるんだなぁと思った頃から、同じ夢を見るようになったんです」
「同じ夢ですか?」
「はい。その夢は、小さな僕とまだ若い祖母が出てくる夢でした。小さな僕は若い祖母に“匂い袋がなくしたから、もう一度、買ってほしい!”そう言って、祖母を困らせている夢でした」
「はい……」
「それは、僕が叶えられなかった願望の夢なんです。匂い袋をなくした小学生の僕は、京都へ帰って、祖母に“もう一度買ってほしい”と言いたかった。でも、東京へ引っ越してから、一度も京都へ戻ることはなかったんです。
だから、大人になり自ら京都へ行けるようになったら、思い出の匂い袋を探そうと決めていました。どうして、あの時の僕は、あの匂い袋をそれほど大事に思っていたのか、思い出したくなったんです」
「そうでしたか……」
「ですから、他のお店もあたってみます。京都は専門店以外でも、匂い袋を置いている店はあると思うので」
私は頷いた。
「同じ夢ですか?」
「はい。その夢は、小さな僕とまだ若い祖母が出てくる夢でした。小さな僕は若い祖母に“匂い袋がなくしたから、もう一度、買ってほしい!”そう言って、祖母を困らせている夢でした」
「はい……」
「それは、僕が叶えられなかった願望の夢なんです。匂い袋をなくした小学生の僕は、京都へ帰って、祖母に“もう一度買ってほしい”と言いたかった。でも、東京へ引っ越してから、一度も京都へ戻ることはなかったんです。
だから、大人になり自ら京都へ行けるようになったら、思い出の匂い袋を探そうと決めていました。どうして、あの時の僕は、あの匂い袋をそれほど大事に思っていたのか、思い出したくなったんです」
「そうでしたか……」
「ですから、他のお店もあたってみます。京都は専門店以外でも、匂い袋を置いている店はあると思うので」
私は頷いた。