商店街を歩けば、右から左から声をかけられる。さまざまなお店から温かな視線を感じる。一年前は考えられないほど、今の私は、この町になじんできたと思う。

 東京で暮らしていた私がこの町へ越してきたのは、一年前。ちょうど高校へ入学するタイミングだった。

 幼き頃から、何度もこの町へ遊びに来ていた私は、高校生からの生活の場をこの町、京都に移した。

 移り住んだばかりのころは、関東弁と関西弁の言葉の違いや、東京と京都の暮らしの違いに戸惑うことも多かった。そして、ひどく人見知りな性格のせいで、その戸惑いは長く続くだろうと思い込んでいたのだが、こんなにも早くなじめたのは、温かい商店街の皆さんのおかげだと思う。

 そして、もう一つ――。

 それは、私がある人の孫娘だから――。