私の力がみんなを不幸にしていると思っていた。だから私がいけないんだと思っていた。
自分が傷つくのは当たり前で、私は他の誰かを傷つけないように生きなければならない、そう思っていたのに……
彼は、祖父母は、京都は、人とは違う私を受けいれ、守ってくれた。
守られるべき存在なのだと教えてくれた。
この町でたくさんの力と愛をもらって、私は生きてきたのだ。
「……颯ちゃん、ありがとう」
もう高校生だというのに小さな頃の私と同じ簡単な言葉しか出てこない。
でも、心からそう思ってる。私はあなたの言葉に守られて生きてきた。だから、
「今度は私が……颯ちゃんを守るよ?」
「僕が一香さんに守られるんですか?」
クスリと笑ってそう言う。
「そりゃ、頼りないだろうし、何もできないけど、いろいろ……その……理解はできるから」
「じゃあ、今度僕が泣いたときは慰めてください」
「う、うん……」
彼が泣く? その彼を慰める……? そんなことできるのだろうか。謎に包まれながらも離されない彼の腕にそっと寄り掛かろうとしたその時、
「あーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
気づけば目の前に日菜子ちゃんがいて、指をさして怒っていた。
