曇りのない瞳でそう言った颯ちゃん。

 彼の口から祖父母との過去が聞けて、心の底から嬉しくなった。彼と祖父母の絶対的な愛情、信頼感はここにあったのだと。

 そして、彼にも力があることをすんなりと受け入れている自分にも驚いた。驚きながらも、妙に納得もしていた。

 彼に色が見えなかった時から、私は彼に”特別”を感じていたから――。

「颯ちゃんの色が見えなかったのは、颯ちゃんにも力があったからなんだね」

「ええ。黙っていてすみません」

 ううん。と私は首を横に振る。物事には出会うべきタイミングがある。今の私なら話しても大丈夫だと、彼がそう思ってくれたことのほうが嬉しかった。

「でも、どうして……」

 きっと祖父母にも何かがある。それは、聞けなかったけれど、感じていたことだ。

 それでも彼らの色は見えた。

「どうして、颯ちゃんの色だけが見えないの?」

「これは虎次郎さんがおしゃっていたことなんですが」

「うん」

「僕の力はとても強いそうです」

「……」

「きっと一香さんよりも強い。だから見えなかったのだと思いますよ」