スパルタの両親の元で育った私は規律が厳しい女子校に進み、お洒落とは無縁の少女時代を送っていた。でも勉強一筋で頑張りながら、いつか自分も綺麗な蝶々になって少女漫画のような恋をするのだと夢見ていた。テレビや漫画を一切許してくれない親に隠れ、お小遣いで買った少女漫画一冊をボロボロになるまで読んでいた。

ところが大学生になりバイト代で自由にお洒落ができるようになっても、一向に恋は訪れてくれない。
そんな時、天のお恵みのように名門私立大Kの大学院生との合コン話が持ち掛けられた。そこに北条怜二がいたのだ。


今思えば私の〝精一杯のお洒落〟は壊滅的にダサかった。
誰からも話しかけられず、ひたすら食べてごまかすしかなかったこと、途中で盛り上がった連絡先交換で私が出したスマホに誰も反応してくれなかったことだけで黒歴史と呼ぶには充分だろう。

しかし、ダメ押しとなる惨事が起きた。