「あっ、北条課長!」
聞き覚えのある甲高い声に顔を上げる。そこには鮮やかなスカーフを首に巻いた紺色のスーツ姿の梶山茜が立っていた。
(なんてこった)
事務室で北条怜二と出くわした瞬間と同じぐらい、ここに来た自分を呪う。
私は作業着、彼女はキャビンアテンダント風スーツ。この差はあまりにひどすぎる。しかもご丁寧に、私には段ボール箱を乗せた台車という素敵な小道具付きだ。
ついでに言うなら私はほぼノーメイク、梶山茜はたった今メンテナンスを終えたばかりの完璧メイク。香水の香りがふわりと漂ってくる。
でも私がノーメイクなのは理由があって、食品を扱う場なので他に移る可能性のあるものは避けている。技能がまったく追いつかない半人前だからこそ、せめて心構えはきちんとしていたい。
それにしても梶山茜のスーツはワンサイズ上げるべきではないだろうか?
胸のボタンがパツパツなせいで、大きさが余計に目立つ。
聞き覚えのある甲高い声に顔を上げる。そこには鮮やかなスカーフを首に巻いた紺色のスーツ姿の梶山茜が立っていた。
(なんてこった)
事務室で北条怜二と出くわした瞬間と同じぐらい、ここに来た自分を呪う。
私は作業着、彼女はキャビンアテンダント風スーツ。この差はあまりにひどすぎる。しかもご丁寧に、私には段ボール箱を乗せた台車という素敵な小道具付きだ。
ついでに言うなら私はほぼノーメイク、梶山茜はたった今メンテナンスを終えたばかりの完璧メイク。香水の香りがふわりと漂ってくる。
でも私がノーメイクなのは理由があって、食品を扱う場なので他に移る可能性のあるものは避けている。技能がまったく追いつかない半人前だからこそ、せめて心構えはきちんとしていたい。
それにしても梶山茜のスーツはワンサイズ上げるべきではないだろうか?
胸のボタンがパツパツなせいで、大きさが余計に目立つ。