理想の結婚お断りします~干物女と溺愛男のラブバトル~

「男性が四人もいらっしゃるなら、クリスマスに丼ってウケるかもですよ」

するとそれまで辛気臭い顔で聞いていたおばさんの表情がぱっと明るくなった。

「あら。うちが男四人って覚えててくれたの?」

「もちろんですよ。ご飯を何合炊いても足りないこととか、総菜パンがお好きなこととか」

「あらー、そうよそうよ」

おばさんは自分の話をちゃんと覚えてもらっていたことが嬉しかったらしく、ご機嫌になった。前回に引き続き男四人の食を支える苦労話を語ったあと、ローストチキンを七パックもカゴに入れた。

「丼にすると余分に要りそうだから多めにね。やってみるわ」

「ありがとうございます!」

「見栄えが悪いって息子が言ったらゲンコツかましてやるわ。じゃあまたね」

おばさんは温玉と白ネギを忘れないうちに買っておくと言ってせかせかと去っていった。

見栄えが悪いって自分も最初に言ってたくせに。くすくす笑いながら品出しを終え、精肉部に小走りで戻る。
忙しくてクタクタに疲れているけれど、不思議に気力は漲(みなぎ)っていた。