精肉部の作業部屋に戻ると、矢部さんがじりじりしながら待っていた。
「どうだったんすか」
包材を棚に上げる作業をしていた矢部さんが大きな包みを抱えたまま食いつくようにして佐藤主任に訊いてきた。
「年末目標達成できなかったら廃店決定だってさ」
「目標は?」
「ラスト二日は一千四百万」
「はぁ⁉」
矢部さんの手から包みが音を立てて落ち、床に散らばった。
「各部門に割り当てがあってね。ええと……ラスト二日の精肉部は一日四百万」
店舗の売り上げ目標には各部門に細かく割り当てが設けられていて、クリスマスと年末は特に精肉部のウエイトが大きい。
「無理っすよ」
怒っているのか笑っているのか泣いているのか、矢部さんのこんな表情を見るのは始めてだった。
「いやはや、笑うしかないねぇ」
「もう廃店決定じゃないすか。誰もやる気なんかねぇんだから」
自棄のように笑いながら矢部さんが包みを蹴っ飛ばした。ビニールで包装されているとはいえ食品トレーなので、見かねて私がそっと拾おうとしたら、矢部さんが余計に怒った。
「どうだったんすか」
包材を棚に上げる作業をしていた矢部さんが大きな包みを抱えたまま食いつくようにして佐藤主任に訊いてきた。
「年末目標達成できなかったら廃店決定だってさ」
「目標は?」
「ラスト二日は一千四百万」
「はぁ⁉」
矢部さんの手から包みが音を立てて落ち、床に散らばった。
「各部門に割り当てがあってね。ええと……ラスト二日の精肉部は一日四百万」
店舗の売り上げ目標には各部門に細かく割り当てが設けられていて、クリスマスと年末は特に精肉部のウエイトが大きい。
「無理っすよ」
怒っているのか笑っているのか泣いているのか、矢部さんのこんな表情を見るのは始めてだった。
「いやはや、笑うしかないねぇ」
「もう廃店決定じゃないすか。誰もやる気なんかねぇんだから」
自棄のように笑いながら矢部さんが包みを蹴っ飛ばした。ビニールで包装されているとはいえ食品トレーなので、見かねて私がそっと拾おうとしたら、矢部さんが余計に怒った。
