自慢ではないが、ファッションビジネス部でバリバリやっていても家ではズタボロだった。オンオフをはっきりつける合理主義とでも言っておこう。

……と自己弁護を並べてみたものの、私に男性が寄ってこないのは根っこの部分から壊滅的に女失格で、着飾っていても服ではごまかせない干物臭を放散しているのだろう。だからこの人だけはという時にこんな実態を晒してしまうのだ。

というか、着替えはいったい誰が……。

「もう嫌もう嫌」

布団に倒れて呻く。
どんなパターンでも最悪だ。下着が結構マシなやつだったことだけは救いだけど、ど貧乳は隠しようもないわけで。まあ彼は私の貧乳事情をとっくの昔に知っているので今さらだけども。

どっしり落ち込んでいると、カラーボックスの中で小次郎がごそごそ動き始めた。

「おはよう小次郎。ゆうべはごめんね」

タオルからひょっこり顔を出した小次郎の笑顔に落ち込みを忘れ、小次郎のご飯を用意すべくいそいそとキッチンに向かう。

「お腹すいたよね。たくさん食べるんだよ」

小次郎にカブの葉をたっぷり出してやったあと、自分も何かお腹に入れなければと冷蔵庫を開けた私は目をしばたたいた。冷蔵庫には身に覚えのないスポーツドリンクが何本も入っていた。