「何から何まですみません……本当に……」
そうして今、私は夜間診療所からアパートに戻り、ベッドに寝かされている。診療所を出たあたりから意識は朦朧とし始め、今は喋るのがやっとのありさまだ。
診断は当然ながら恋煩いではなく、本物の風邪。過労と睡眠不足も原因だろうとのことだった。
「夜中まで勉強してるんですか? 寝ないと駄目ですよ」
「はい……」
恋愛ドラマを観ていたとは口が裂けても言えない。
「スポーツドリンクをここに一本置いていますから、夜中にできるだけ水分補給してください。あと何本か冷蔵庫に入れています」
「すみません……」
私がうとうとしている間に彼はゼリータイプの栄養ドリンクやスポーツドリンク、レトルト粥などを買ってきてくれていた。怪我の時といい、本当にお世話になりっぱなしだ。
「大丈夫です、すぐ治ります……私、自慢じゃないですけど小中高と皆勤賞なんです。えへへ……」
何しょうもないことを言ってるんだろう、私。でも眠ったらきっと彼は帰ってしまうから、言葉の赴くまま喋り続ける。
「両親がインフルになっても、私だけピンピンしてて……」
まだ帰らないで。これが最後なのに、もう二度とこんなことないのに、終わっちゃうよ……。
