困った私は美保子に電話した。かなり恥ずかしいけれど、美保子なら何か名案を投下してくれるかもしれない。
 私の話を聞き終えると、案の定美保子は大笑いした。

『うちの旦那ならいくらでも貸し出すけど、イケメンじゃないし演技力ゼロだしね。そもそも海外出張中だし』

新婚だというのに美保子の旦那様は一年の予定で台湾への長期出張中だ。でもドライな美保子は「通い婚みたいで新鮮よ」とあまり寂しがっていない。

『レンタル彼氏とか出張ホストとか聞いたことあるけど、そういうの利用するとか?』

「ホスト……」

私の脳裏にド派手スーツのチャラ男が浮かんだ。

「ああいう人たちって若そうだし……。偏見だけど、教養がないと出席者と話を合わせられないんじゃないかな」

『そうよね。後で貢がされたら嫌だしね』

「貢がされるって、まさかゆすられるの?」

『そうじゃなくて、真面目な女ほどホストにどっぷりハマるっていうじゃない? ほら、紺子って勉強以外は無知だからさ。軽い男は嫌いって言ってる女ほど危ないらしいよ』

「無知じゃなくて純白って言ってくれる?」

『わはは、純白!』

真面目に言ったのに冗談にされてしまうのが情けない。