アパートに戻って崩れた本の山の中からヘルメットを引っ張り出した一真は、再び表通りに出た。

大学を背に、まずは神崎川を渡って兵庫をめざそうとした。

が。

あちこち道が地割れしている。

仕方なくあちこち抜けられそうな道を選びながら、時には引き返しつつ、一真は西を目指した。