新長田の焼け跡はそのままであったが、麻美子の家は分かった。

ブロック塀の藤島の表札が残っている。

入った。

焦げた臭いはそのままになっていた。

ふと目線を下にやると、爪先に光るものがある。

拾い上げてみた。

鎖のついた十字架のペンダントである。

見覚えが一真にはあった。