三宮でガソリンの切れたスクーターを押しながら歩いていると、葺合の警察署の近くのガソリンスタンドで無料の給油があったので、並んで満タンにして、国道の裏道になっていた阪急沿いの道をだらだらと走った。

西宮球場から武庫を抜けて塚口を過ぎると、また被害のすくない街が見えてきた。

麻美子が生きているかどうか問われても、あの焼け跡を見た一真には確証は持てなかったが、しかし生きていることだけは疑わずに、なんとか吹田までは戻って来れた。