興奮しながら言う悠哉に私は、唖然とする。
黙って聞いていたら……コイツ。
 私に喧嘩売っているのか?

 はぁっ?それは、仕方がないでしょ!!
仕事が忙しくて残業ばかりなのよ。
 疲れているから服や肌にかまっている暇なんてないし
そもそもどさくさに紛れて私をデスってない?

 何が美優ちゃんよ……腹が立つ。

「そんなの仕方がないじゃない。
 私にだって事情があるのよ。それに……だからと言って浮気していい理由になるの?」

 こっちの情報も考えずに何が別れたいよ。
酷いことをされていたのは、私なのよ?
 だが悠哉の意見は硬いようだった。
席を立ち上がると伝票を持った。

「とにかく別れたいんだ。会うのもこれが最後にする。
正直……昔の君の方が良かった」

 それだけ言うと出て行ってしまった。
残された私は、ボー然としていた。
 まさか誕生日に別れを切り出されるとは思わなかった。しかも浮気で……。

 えっ?これって私が悪いの?
確かに最近忙しいと思ったし、会えない日も続いた。
 それは、悪いと思っているけど……でもやっぱりそれで浮気する?
 同じ会社で、後輩に手を出したりする?

 しかも昔が良かったって……じゃあ今の私は、だらしがなくてダメみたいじゃん。
 ムカつく……ムカつく。殴りたいほどムカつく。
段々と腹が立ったので、その後1人でバーに行き飲み直した。

 それでも気が収まらなくて親友である梨奈に電話をして愚痴を聞いてもらった。

『へぇ~で別れると言われたんだ?悠哉君に』

「そうなのよ。ムカつくと思わない?
 何が肌がボロボロでおばさんみたいよ……そりゃあ、もう25よ?でもまだ若い方じゃん。ひっく……。
 後輩か何かしらないけどさ……肌もメイクも完璧なんだってさ……」

『あ~確かに。最近のあんたボロボロだもんね?
 髪とか跳ねてるし、肌もケアしてないでしょ?
毛穴とか酷いんじゃない?そりゃあ引くわね……』

 ひ、酷い……梨奈まで私を侮辱するのね。
私は、しくしくと泣いていると梨奈は、呆れたように、こう言ってきた。