俺はあいつにだけは負けたくないんだ。


あんなすかした野郎より俺の方がもっとずっとサッカーの練習をしてきたんだ。


どうして俺があいつに負けなきゃならない!?


「圭吾!」


後ろから声を掛けられて振り向くと、汗ひとつかいていない亮太がほほ笑んでいた。


一瞬にして胸の中に苛立ちが生まれる。


「なんだよ」


ぶっきらぼうにいい、視線をそらせた。