それから先はめまぐるしい時間が過ぎて行った。


姉が結婚するはずだった日にちへ向けての結婚準備。


姉が着るはずだったドレスを着て、つけるはずだったネックレスを首にかける。


そして豪華に飾りつけられた大広間を歩く。


ドレスはウエストがこれでもかというほど絞られていて、歩きながら何度窒息死するかと思ったかわからない。


広間の前には正装姿のアランが待ち構えていて、不覚にも鼓動が速くなっていく。


リリアの幸せのためなんだからと自分に言い聞かせて、アランの前で立ち止まった。


広間の中には沢山の人々がひしめき合っているため、感動的なシーンとはかけ離れていた。


とにかく早く終わらせて、この蒸し暑い広間から脱出したい。


その気持ちの方が先立っていた。


それに、さっきからドレスのせいで本当に呼吸が苦しくなってきた。