首をかしげるアランを俺は見上げた。


こいつ、こうして並んで立っていると無駄に背が高いな。


それともリリアが小さいのか。


「お前さ、外面ばっかよくしてるから女子にモテるんだよ」


「は……?」


アランはキョトンとした表情で俺を見つめる。


「リリアのことが好きなら好きで、たまには大声で言ってみろっつーんだよ。お前がそんなわかりにくいことしてるから、他の女どもがつけ上がるんだ」


俺はいつも亮太に付きまとっている女子たちを思い出していた。


亮太に好きな子がいるのかどうか知らないが、きつく突っぱねるようなことはしない。


だから女子たちは好き放題亮太にくっつきまわっている。


亮太が時折疎ましそうな表情をしていたことを、俺は知っていた。


「そうか……私にはそれが足りなかったようだ」


アランは何かに気がついたようにそう言い、後方へ振り向いた。