キーパーは俺の怒鳴り声に身をすくめてしまった。


こんなことでキーパーがビビッてどうすんだよ!


胸の奥がムカムカしはじめたとき、女子生徒たちの黄色い声援が鼓膜を揺るがした。


「亮太くーん!」


「亮太君カッコイイ!!」


亮太はそんな声援にも軽く片手を上げて答えるだけ。


なんて冷てぇ野郎だ!


そう思うが、女子たちからすればそのクールさが余計にカッコイイらしい。


亮太へ向けての黄色い声援はやまない。


女って全然わっかんねぇ!!


俺はイライラを隠すように地面を強く蹴ったのだった。