亮太のことだ、顔には出さなくても俺が大食い対決を申し込むごとに悔しい思いをしていたに違いない。


そしてそれもまた、人知れず、少しずつ少しずつでも食べられる量を増やしていたのかもしれない。


思えば、たった10分であの大盛りカレーの半分を食べていたのだ。


昔の亮太ならカレー一杯食べるのに20分はかかっていたのに……。


思い出して、ゆっくりと息を吐きだした。


俺は亮太へ妬む気持ちばかりを抱いて、亮太本人のことなんてなにも見えていなかったのかもしれない。