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「随分と食欲があるみたいだね」


無駄に広い食堂で食事を食べていると、隣に座りアランが目を見開いて俺を見てきた。


今まで自分の部屋で食事をしていたから、こうして人前で食べるのはここに来てから初めてのことだった。


リリアの父親が「アラン君もいるのだし、体調もいいみたいだしそろそろダイニングへ顔を出しなさい」と、言ったのがきっかけだった。


「そうかぁ？」


俺はいつも通りパンをおかわりし、スープもサラダもおかわりした。


今日のメインは白身魚だったからそれでも物足りなさを感じる。


「アラン君も、もっと沢山食べなさい」


父親に促されてアランは「はい」と背筋を伸ばしてうなづき、パンに手を伸ばす。


「無理すんなよ、お前小食なんだから」


思わずそんなことを口走ってしまった。


「あ……えーっと。小食……そうに見えるから」


慌てて付け足したものの、アランはニッコリと微笑んだ。