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そんな心配がただの杞憂だったとわかり始めた頃、朝早い時間から人の声が聞こえてきて目が覚めた。


「なんの声だ……?」


どうやらそれは話し声などではなさそうだ。


なにかの掛け声みたいなものが窓の外から聞こえてくる。


まだ眠い目をこすりながら窓へ近づき、外の様子を確認する。


そこにはすっかり身支度を整えたアランがいて、1人剣の練習に励んでいたのだ。


「まじかよあいつ、こんな早い時間から練習してんのか」


呆れて大あくびをする。


もっとのんびり眠っていればいいのに。


そう思い、俺はもう1度ベッドへともぐりこんだのだった。