「リリアを返せ!」


亮太はひるむことなくこちらへむかって駆け出した。


こんな大勢相手じゃ無理に決まってる!


血しぶきが舞うのが怖くて目をそらせる。


しかし次の瞬間、亮太の剣は敵の剣を跳ね返していたのだ。


キン! キン! と、何度も金属音が響き渡る。


「へっ。さすがに剣術には長けてるな」


俺を吊り下げている男が引きつった笑みを浮かべる。


明らかに動揺しているのがわかった。