嘘だろおい!


吊り上げられた魚のような状態になってしまった俺は、足だけでもばたつかせて抵抗する。


しかし、右腕だけで吊り上げられている状態なので、動けば動くほど自分の腕が引きちぎれてしまいそうな痛みだった。


「これで国王を脅してたんまり金を取ることができるな」


「おぉ。それにしても綺麗な女だなぁ」


「もちろん、たっぷり楽しませてもらうぜ」


男らがわらわらと群がってくる。


これってヤバイんじゃね?


酒臭い男たちの下品な笑顔がすぐ近くにある。


冷や汗が背中を流れたときだった。


「なにしてる!!」


そんな怒号が聞こえてきて、全員の視線がそちらへ向かった。


「亮太!?」


そこにたっていたのは亮太だったのだ。


亮太はすでに剣を抜いていて、男たちへ切っ先を向けている。


「なんだ、隣国の王子様かよ」


俺を吊り下げている男がチッと舌打ちし、一歩後ろに下がった。


変わりに他の男たちが剣を抜く。