よし、これならいけるんじゃねぇ!?


そう思ってさらに言葉を続けようとしたのだが「どうしたんだリリア。お前だっていいなづけのアランのことを気に入っていたのに」と、悲しそうにつぶやいた。


ムッ。


そうだったのか。


リリアもアランってヤツのことが好きだったのか。


それから結婚が早まったからってそこまで拒否することもねぇのか……。


でもダメなものはダメだ。


俺は俺。


男との結婚生活なんて考えらんねぇよ!


「無理なものは無理だって!」


父親にもリリアにも申し訳ないけれど、結婚はなかったことにしてもらわないといけない。


「そう言わずに! 頼むリリア!」


必死にすがりついてくる父親をどうにか引き剥がそうともがいていた時だった。