だって中身は俺だぞ!?


気がつけば俺はブンブンと首を左右に振っていた。


「む、むむむ無理無理無理! だって俺……じゃなくて私、結婚できるようなたまじゃねぇし!」


「大丈夫だよリリア。いいなづけとの結婚のために今まで花嫁修業を頑張ってきたじゃないか。お前の結婚は来年の予定だったが、それが少し早まっただけだ」


おいおいおいマジで言ってんのかよおっさん。


「その結婚ってさ、いわゆる契約結婚ってやつだろ? 国のために、みたいな? いいのかよそんなんで。愛する娘を利用することになるんだぞ?」


俺の言葉に父親は一瞬眉をハの字に下げて申し訳なさそうな顔になった。