でも、ここにいる限り俺は女言葉を使わなきゃいけないんだ。


フリフリのネグリジェを着せられて、普段はふっくらしたドレスなんて着なきゃいけないんだ!


考えただけで鳥肌が立った。


いくら外見は可愛い女の子でも、中身は俺なんだから耐えられるわけがなかった。


よし、やっぱりここを出よう!


そう決意して無駄に大きなクローゼットを開いた。


「なんじゃこりゃ……」


少しでも動けるような服があるかと思ったが、一瞬で期待は裏切られた。


クローゼットの中にあるのはどれも豪華なドレスばかり。


リボンにフリルに花柄。


それに合わせてつばの大きな帽子や、サテンのリボンなんかがズラリと並んでいる。


「リリアって女はどうやって飛んだり跳ねたりしてんだ?」


俺はクローゼットの前で本気で首をかしげた。