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「リリアは一体どうしてしまったんだ」


「わからないの。一旦目を覚ましたのに、また気絶してしまって……」


部屋の外からそんな会話が聞こえてくる。


俺は頭まで布団をかぶってガタガタと震えていた。


これは一体どうなってるんだ。


リリアって誰だよ。


なんで俺は女になってんだ!?


二度目に目覚めてから何度自分の体を確認してみても、やはり体は女そのものだった。


ベッド脇のテーブルに置かれた水を覗き込んでみると、そこには見たこともない金髪の女が写っていた。


クルクルの巻き毛が腰まで伸びていて、目は大きく、まつげは長い。


唇はプックリと膨らんでいて絵に描いたような美少女なのだ。


一瞬水の中の美少女に見とれてしまったが、そんな場合じゃなかった。


俺はなぜだかリリアという中世ヨーロッパ風の少女になってしまっていたのだから。