「ひどく頭を打ちつけたのね。自分の母親を忘れるなんて……」


「母親!?」


叫ぶと同時に上半身を起こした。


女性は目を丸くして俺を見つめて言る。


「そうよリリア。本当に、どうしてしまったの?」


女性は心底心配そうな表情で俺を見つめている。


ちょっと待てよ?


この人今俺のことをリリアって言ったか。


俺は恐る恐る自分の体へ視線を落とした。


目に入ったのは白いネグリジェだった。


これも無駄にレースがちりばめられている。


自分の手足を確認してみるとやけに細くて白い。