両手を空中へ伸ばしてボールを取ろうとしたため、足元が不注意になってしまった。


側溝の溝蓋は一部外れていることにきがつかなかった。


俺の右足は溝にはまり、その勢いで体のバランスが崩れた。


ボールが近付いてきているのに、身をよけることもできない。


「やっべぇ……」


そう呟いたのが最後だった。


頭部にボールが迫ってきたかと思った次の瞬間、俺は意識を手放していたのだった。