翌日、教室に着くとそこに椿の姿は無かった。
「あれ、椿は?」
いつもなら椿がいるはずの班に声を掛けると、床に座って作業をしていた明日香が不安げに眉尻を下げて俺の顔を見上げてきた。
「なんか体調悪いから今日は休むってさ」
「そうなのか……」
明日香の言葉を聞いて、俺は思わずため息を漏らした。昨日靴箱のところで和輝と喋っている時は少し元気に見えたけれど、やっぱり無理をしていたようだ。
そんなことを思っていたら、明日香が手に持っていたハサミを床に置いて立ち上がる。そして俺の方へと近づいてきた。
「椿、この前の花火大会の時からちょっと元気なさそうなんだけど……歩くん、何か知ってる?」
「いや、俺は何も知らないけど……」
「歩くんでも知らないか。んー、ただの夏バテとかならいいんだけど……もしかしてなんか悩んでるのかなって思って」
そう言って悩ましげな表情を浮かべる明日香。俺も同じように眉根を寄せていると、明日香がとんとんと肩を叩いてきた。
「歩くんからも椿に『大丈夫かー?』ってライン送ってあげてよ。そしたらあの子、すぐに元気になると思うからさ」
「え?」
明日香からの突然の提案に目をパチクリとさせていると、彼女は「よろしくね!」と言ってウィンクをしてきた。この流れで断るわけにもいかず、俺は小さくため息をついた後、「わかったよ」とだけ小声で呟いた。
「あれ、椿は?」
いつもなら椿がいるはずの班に声を掛けると、床に座って作業をしていた明日香が不安げに眉尻を下げて俺の顔を見上げてきた。
「なんか体調悪いから今日は休むってさ」
「そうなのか……」
明日香の言葉を聞いて、俺は思わずため息を漏らした。昨日靴箱のところで和輝と喋っている時は少し元気に見えたけれど、やっぱり無理をしていたようだ。
そんなことを思っていたら、明日香が手に持っていたハサミを床に置いて立ち上がる。そして俺の方へと近づいてきた。
「椿、この前の花火大会の時からちょっと元気なさそうなんだけど……歩くん、何か知ってる?」
「いや、俺は何も知らないけど……」
「歩くんでも知らないか。んー、ただの夏バテとかならいいんだけど……もしかしてなんか悩んでるのかなって思って」
そう言って悩ましげな表情を浮かべる明日香。俺も同じように眉根を寄せていると、明日香がとんとんと肩を叩いてきた。
「歩くんからも椿に『大丈夫かー?』ってライン送ってあげてよ。そしたらあの子、すぐに元気になると思うからさ」
「え?」
明日香からの突然の提案に目をパチクリとさせていると、彼女は「よろしくね!」と言ってウィンクをしてきた。この流れで断るわけにもいかず、俺は小さくため息をついた後、「わかったよ」とだけ小声で呟いた。