明かりのない真っ暗な山道を、ものすごいスピードで走る。
カーブに差し掛かるとヘッドライトの光を受けた反射版がキラキラして、ようやくそこがカーブだと認識する。

「ねえ、スピード落として。危ないよ。」

「大丈夫だって!俺のドラテク見せてやるよ。」

「カーブとか対向車とか、ちゃんと見えてる?」

「はあ?お前俺を信用してねぇの?」

「信用とかじゃなくて、事故したらどうするのよ?」

「バーカ、ビビってんじゃねえよ。」

心配する私をよそに、高志はドヤ顔で運転を続ける。

「ひゃっ!」

「ヒャッホー!」

目の前にガードレールが迫り、思わず悲鳴が漏れた。メーターをチラ見すると100キロを指している。100キロで急カーブを曲がるとか、一気に寿命が縮む思いだ。

ドン引きする私。
楽しそうな彼。

私たちの温度差は天と地ほどになった。
とにかくもうヤバかった。

高志への不信感と怒りはおさまらず、そうこうしているうちに少し開けた場所に出て、ようやく車が止まった。

小さな展望台のようだった。