三人の女子生徒のところに着くと。
 真ん中にいる女子生徒が笑顔で私のことを見た。

 逆にその笑顔がとんでもなく怖い。
 そう思いながら女子生徒たちのことを見た。

 そのとき制服のリボンが目に入った。
 青色……ということは同じ学年。

 でも、やっぱり、その女子生徒たちのことを知らなかった。

 一年生のときも一緒のクラスではなかった。

 それ以外のときとはいっても。
 その女子生徒たちと話したことは全くない。

 だから、なんで私のことを呼ぶのだろうと思った。



「麻倉さん、だよね?
 ごめんね、いきなり呼び出しちゃって」


 そう思っていると。
 真ん中にいる女子生徒が口を開いた。

 感じが良すぎるくらいの話し方。


 全く話したこともないのに。
 なんで私の名字を知っているのだろう。

 と思いたいところだけど。
 今はそう思えないのが現状。

 たぶん、この女子生徒たちも。
 私と真宙くんの噂話を耳にして。
 私の名字を知ったのだろう……と思う。



「あのさ、今、ちょっといい?」


 あれこれ考えていると。
 真ん中にいる女子生徒が再び口を開いた。


「……うん……」


 そう返事をしてしまった。

 けれど。
 本当は嫌。


「ここで話をするのもなんだから……」


 真ん中にいる女子生徒がそう言った。


 やっぱり、この女子生徒たちは私に何か話をするために……。

 そうだよね。
 そうじゃなければ、わざわざ呼び出さないよね。


 そう思っていると。
 真ん中にいる女子生徒は「ちょっと歩きましょ」と言って歩き始めた。

 ちょっと歩くって。
 この女子生徒たちは私をどこへ連れて行くつもりなのだろう。

 とはいっても。
 ここは学校の中なのだから。
 場所は限られている。