「朱里―! スマホが鳴りっぱなしよ。いい加減、起きなさい」

「う~ん……」

とある土曜日。お母さんから起きなさいコールを食らってしまった。

私は重たい身体を起こしつつ、「目覚ましなんか設定したっけ?」と思いながらスマホを見るとそこには黒炎くんからの着信だった。

「も、もしもし?」

まさか寝起きに黒炎くんの電話をとることになるなんて。寝ぼけてるせいで、ちゃんと喋れるか不安だ。

「おはよう朱里。今日は休日だし良かったら出掛けないか?」

「え? う、うん?」

一瞬、聞き間違いかな? と思って疑問形になった。