「えーと、ここは‥‥こう?」

「ああ、正解だ」

「やった!」

勉強会を始めると私は問題を真剣に解き、正解した。正直、黒炎くんの教え方はかなり上手かった。もしかしてアカリちゃんにもこうやって教えてるのかな? なんて考えると少し複雑な気持ちになる。

けど、今はこうして図書室に二人きりなのだから、この時間を楽しまなきゃ!

勉強は嫌だけど、好きな人と過ごす時間はあっという間に過ぎていった。午前中という限られた時間なのが悔しい。本当はもっと黒炎くんと一緒にいたいのに。

「今日はお疲れ様。今詰めすぎるのも良くないって言うし、家に帰ったらゆっくり休めよ」

「うん。黒炎くんも勉強教えてくれてありがとう。すっごく、わかりやすかったよ!」

「ホントか? それなら良かった。だけど、お礼はテスト結果が出てからな。明日は用事があるから明後日でもいいか?」
 
「大丈夫だよ! せっかくのGWを毎日勉強会っていうのもなんだか申し訳ないし」

黒炎くんのいう用事ってアカリちゃんとデートかな? と一瞬、頭をよぎったが言葉には出さなかった。それを言ってしまえば黒炎くん大好きのアカリちゃんトークが目に見えて想像出来るから。

私は「また明後日ね!」と言って学校を後にした。