その場で尻もちをついてしまっていた私に差し出された手。上を見上げると、そこには見たことある人物がいた。

「堅物会長さん!?」

「霧姫朱里。‥‥貴方もそのあだ名で呼ぶんですか」

表情には出てないものの、心なしか声が怖い。どうやら怒らせてしまったみたい。集会で男子が言っていた言葉がインプットされていたらしい。

如月紅蓮、生徒会長さんだ。まさか、こんなところで会うなんて。

「す、すみません! 今すぐ拾います!!」

私は慌てて、会長さんの書類をかき集めた。これ、生徒会の仕事だよね、多分。色々難しいことが書いてあって、私にはよくわからない。