「黒炎くんがいつもテスト勉強に付き合ってくれるお陰で、赤点は回避してるよ」

「そうみたいだな。でも、最終的には朱里が頑張った結果だぞ。俺は手助けをしただけだから」

「そんなことないよ! 黒炎くん、2年生からのテストで高得点だったら何かしてくれない?」

私にしては、珍しいオネダリをしてみる。それはもう、飛びっきりの上目遣いで。

「頑張ったご褒美にってことか? そうだな……デートとかどうだ?」

「それいいかも。やる!」

「朱里、今のって」

「なに?」

「いや、なんでもない」

フイっと横を向く黒炎くん。だけど、その横顔が真っ赤なのは私にはバレバレで。

今のオネダリ、効果抜群だったのかな? だったら成功だ。
とはいっても、身長が離れてるから自然と上目遣いにはなるんだけどね。