それは、黒炎くんがさっき口をつけたチョコ。これを私が食べると自然と関節キスになるよね。関節キスは今回で二回目になるんだろうけど、あの時は付き合ってなかったし。

文化祭で黒炎くんと一緒にクレープを食べたのも、今では懐かしい思い出だ。

「……ん、美味しい」

「だろ? ……朱里」

「なに? 黒炎くん」

私がチョコから口を離すと同時に、黒炎くんからキスをされた。それは、今までしたこともないようなキスの雨。

この甘い味は今食べたチョコの味? それとも……。

「これからも俺の恋人として側にいてくれ」

「うん。私からもお願いしていい? ずっと私のことを好きでいてほしい。……ダメかな?」

「そんなの言わなくてもわかるだろ?」

「……うん」