「その紙を一枚貸してください」

「え、かい……」

目の前にいたのは会長だった。今は受験勉強で忙しいはずじゃ……どうして、ここに。

「泣くのはまだ早いですよ。諦めるなんて貴方らしくもない。……どうして頼らないんですか」

「だって、一人で……それに会長も忙しいと思って」

放課後。私は校門近くで泣いた。一人で心細かったんだ。こんな場所で泣くなんて、みんなに見られるのに今は泣かずにはいられない。

会長の優しさに触れ、涙は一向に止まらない。