女子たちは、そんな男の子を見て黄色い声をあげる。
男の子は表情一つ変えることなく、女子の集団をかき分けながら、学校へと入っていく。

(私とは住んでる世界が違うなぁ)

私が関心していると「朱里、口開いてるぞ」と横から声をかけてくれた黒炎くんがいた。

「え!? ……お、おはよ、黒炎くん」

もしかして私、今アホな顔してた? 
だって、あんなの見せられたら誰だって驚いて当然だよ。

しかし、昨日の今日で、なんとなく気まずい。
でも、黒炎くんから挨拶してくれるだけで嬉しいと思う私もいた。

あぁ、私ってなんて単純なの。