「そういや、柊といえば午後からしか学校来ないよなー」

「そう、それ! 黒炎君にあんまり会えなくて残念」

「いるだけで目の保養なのに~」

一人の男子が黒炎くんの話をすると、途端にその話題で持ち切りになってしまった。そう、二学期が始まってからというもの黒炎くんはあまり学校に来ていないのだ。理由は……わからない。

けれどあの日、抜け出したら良くないと言っていたからそれと何かしらの関係があるのかもしれない。

夏休みが終わったら学校でまた話そうって言ってたから楽しみにしてたんだけどな。それに今回が高校初めての文化祭なわけで……メイドと執事喫茶とか、いかにも黒炎くんが好きそうなイベントなのに。