『男女を恋人同士にしたり、人生の帰路で大切な人と出会えるようにしたりといった、人と人とのつながりを応援する……といったところだ。君みたいな子供では、まだ恋や人との縁などあまり願わないのではないかな』
確かに私は子供だけれど、なんだか半人前扱いされたような気がしてむっとした。
「失礼ね! 子供は子供なりに恋をしているんだから!」
幼稚園で同じクラスのよっちゃんは、武くんのことが好きだって言っているし、真美ちゃんと雄太くんは大人になったら結婚しようねって毎日のように言っている。
まあ、私にはそんな男の子は居ないし、正直まだ恋とかよくわからないけれど。でもそう言ったらますます子供扱いされそうだから、そのことには触れないでおく。
「それに、大人の友達だって多いんだから。幼稚園の先生とか、大叔父さんのお店の常連さんとかね」
得意げ私がそう言うと、狐さんは少し笑ったような気がした。狐の顔だから、表情はよくわからないけれど、そう見えたのだ。
『ほう。確かにそれは失礼いたした。それでは、縁結びの願いがある人間に、来てもらうように言ってもらえるかな』
「わかった!」
不思議な美しい狐さんとそんな約束を交わした私。まずは早速、神社で遊んでいたお友達に呼び掛けてご神体の前でお願い事をしてもらった。今日は女の子ばっかりだったので、みんな好きな人と仲良くしたいと、切実にお願いしていた。
当の私にはそんな願いはないから、祈らなかったけれど。
確かに私は子供だけれど、なんだか半人前扱いされたような気がしてむっとした。
「失礼ね! 子供は子供なりに恋をしているんだから!」
幼稚園で同じクラスのよっちゃんは、武くんのことが好きだって言っているし、真美ちゃんと雄太くんは大人になったら結婚しようねって毎日のように言っている。
まあ、私にはそんな男の子は居ないし、正直まだ恋とかよくわからないけれど。でもそう言ったらますます子供扱いされそうだから、そのことには触れないでおく。
「それに、大人の友達だって多いんだから。幼稚園の先生とか、大叔父さんのお店の常連さんとかね」
得意げ私がそう言うと、狐さんは少し笑ったような気がした。狐の顔だから、表情はよくわからないけれど、そう見えたのだ。
『ほう。確かにそれは失礼いたした。それでは、縁結びの願いがある人間に、来てもらうように言ってもらえるかな』
「わかった!」
不思議な美しい狐さんとそんな約束を交わした私。まずは早速、神社で遊んでいたお友達に呼び掛けてご神体の前でお願い事をしてもらった。今日は女の子ばっかりだったので、みんな好きな人と仲良くしたいと、切実にお願いしていた。
当の私にはそんな願いはないから、祈らなかったけれど。