――痛い……。

 背中一面に広がるゴツゴツした感触があまりにも酷くて、叶海はゆっくりと目を開けた。そして目の前に広がる光景をすぐに理解できず、パチパチと何度か目を瞬く。

 そこに広がっていたのは、一面の星空だ。

 家の天井ではない。星明かりに彩られた空。思わず手で身体の下を探ると、ゴロゴロとした硬い石が触れた。せせらぎの音もする。その瞬間、ようやく自分の状況を理解した。どうやら、食事中に寝てしまったらしい。

「お、起きた」

「やっとか……」

 すると、そんな叶海の視界にひょいと誰かが映り込んだ。

それは雪嗣と蒼空だ。機嫌が良さそうな蒼空とは対照的に、雪嗣は心底呆れかえった顔をしていて、叶海はサッと顔を青ざめさせた。

「アハハ……。寝ちゃったんだね、私」

「飲み過ぎだぞ、馬鹿」

「さっさと片付けようぜ。明日に響く」

 ――好きな人の前でこんな醜態をさらすとは……。くっ。アルコールって怖い。