永遠とも思える命を持つ神と、定命の者。
 周囲を取り巻く環境は日々変化していき、同じ光景を見ているというのに、きっとその肌が感じている感覚はまるで違うのだろう。雪嗣にとって、人の一生は瞬く合間に過ぎ去っていくもので、しかし人にとってはそれがすべてなのだ。雪嗣に付き合ってのんびり構えてなんていられない。それに――。

「永遠に仲良しな幼馴染み。それは多分、すげえ楽な関係なんだろな。でも、俺らは大人になっちまった。不変なものなんて、この世にないことを知っちまった」

 蒼空が子どものままだったなら、無邪気にずっと先まで続く未来を信じられたのだろう。しかし、多くの人間と出会い、知識が増え、綺麗なものも汚いものも目にしてきた蒼空には土台無理な話だ。

「俺だって、いつまでも三人仲良くいられたらって思うぜ。でも、叶海がお前に求婚した時点で、俺らの関係は前と変わっちまったんだ。昔には戻れねえ。なら……これからのことを考えねえと」

「……そうだな」

「チッ」

 物憂げに瞼を伏せた雪嗣に、蒼空は思わず舌打ちをした。