しかし、この時蒼空が抱いた疑問は、その後すぐに続いた雪嗣の言葉に意識が引きずられ、頭の隅に追いやられてしまった。
「お前たちは、俺に青春の日々をくれた。まるで人間みたいに思い出を作ることができた。それにはとても感謝している。だからこそ……叶海と蒼空と俺。この幼馴染みの関係を壊したくないとも思うんだ」
そして雪嗣は、どこか泣きそうな顔になった。端正な顔に困惑の色を滲ませて、まるで助けを求めるかのように蒼空を見つめている。
「ただの仲のいい幼馴染み、それじゃ駄目なのか……?」
しみじみと呟かれたその言葉に、蒼空はゆっくりと首を横に振った。
「駄目だろうな」
「何故だ? 無理に変わる必要はないだろうに」
「まあ、気持ちはわかるが。そんなこと、絶対に無理だと俺は思う」
蒼空にバッサリ斬られた雪嗣は、グッと眉根を寄せた。
肩を竦めた蒼空は、まるで言い聞かせるかのように人間のことを語った。
「人間は日々変わって行くもんだ。神様と違って、いつ命が消えるかわからない中を、精一杯生きてる。だから刹那に感じた気持ちを、そして相手へ抱いた想いを大切にする。好きな相手がそこにいるのに、ずっとお預けされたままなんて、残酷なことだと思わねえか」
「お前たちは、俺に青春の日々をくれた。まるで人間みたいに思い出を作ることができた。それにはとても感謝している。だからこそ……叶海と蒼空と俺。この幼馴染みの関係を壊したくないとも思うんだ」
そして雪嗣は、どこか泣きそうな顔になった。端正な顔に困惑の色を滲ませて、まるで助けを求めるかのように蒼空を見つめている。
「ただの仲のいい幼馴染み、それじゃ駄目なのか……?」
しみじみと呟かれたその言葉に、蒼空はゆっくりと首を横に振った。
「駄目だろうな」
「何故だ? 無理に変わる必要はないだろうに」
「まあ、気持ちはわかるが。そんなこと、絶対に無理だと俺は思う」
蒼空にバッサリ斬られた雪嗣は、グッと眉根を寄せた。
肩を竦めた蒼空は、まるで言い聞かせるかのように人間のことを語った。
「人間は日々変わって行くもんだ。神様と違って、いつ命が消えるかわからない中を、精一杯生きてる。だから刹那に感じた気持ちを、そして相手へ抱いた想いを大切にする。好きな相手がそこにいるのに、ずっとお預けされたままなんて、残酷なことだと思わねえか」

