「じゃーん。麦のジュース~」
「……ビールだろ。ビール。叶海もお酒を飲むのか。知らなかった」
嬉しそうに大手メーカーの缶ビールを差し出した叶海に、雪嗣は呆れ顔だ。
「仕事終わりには、気持ちよく飲むって決めてるんだよね。好きなんだ、ビール。あ、もしかして雪嗣は日本酒の方がいい? やめとく?」
「いや、いる」
キンキンに冷えた缶ビールを受け取ると、雪嗣は嬉しそうに目を細めている。
叶海はそのことに安堵すると、またクーラーボックスの中を漁り始めた。辺りには魚の焼ける香ばしい匂いが漂っている。塩が利いた淡泊な身に、炭酸の刺激が爽快なビールは堪らなく合うに違いない。どの銘柄のビールにしようかと叶海が迷っていると、蒼空と雪嗣の会話が聞こえてきた。
「雪嗣、意外と飲むよな。毎日、晩酌してるんだっけか?」
「まあ、嫌いではない。晩酌は……好きでやっているわけではないが。捧げられた酒を残すわけにもいかないだろう?」
神社には、年始にたくさんの樽酒が奉納される。それを一年かけて飲んでいるらしい。せっかくの捧げ物だからと、誰にも分けることなく飲みきるのだから、かなりの酒豪と言えるだろう。
「……ビールだろ。ビール。叶海もお酒を飲むのか。知らなかった」
嬉しそうに大手メーカーの缶ビールを差し出した叶海に、雪嗣は呆れ顔だ。
「仕事終わりには、気持ちよく飲むって決めてるんだよね。好きなんだ、ビール。あ、もしかして雪嗣は日本酒の方がいい? やめとく?」
「いや、いる」
キンキンに冷えた缶ビールを受け取ると、雪嗣は嬉しそうに目を細めている。
叶海はそのことに安堵すると、またクーラーボックスの中を漁り始めた。辺りには魚の焼ける香ばしい匂いが漂っている。塩が利いた淡泊な身に、炭酸の刺激が爽快なビールは堪らなく合うに違いない。どの銘柄のビールにしようかと叶海が迷っていると、蒼空と雪嗣の会話が聞こえてきた。
「雪嗣、意外と飲むよな。毎日、晩酌してるんだっけか?」
「まあ、嫌いではない。晩酌は……好きでやっているわけではないが。捧げられた酒を残すわけにもいかないだろう?」
神社には、年始にたくさんの樽酒が奉納される。それを一年かけて飲んでいるらしい。せっかくの捧げ物だからと、誰にも分けることなく飲みきるのだから、かなりの酒豪と言えるだろう。

