ようやくお天道様が真上に昇ると、叶海は急いで神社へと向かっていた。
手には幸恵たちから貰った大量のお土産。雪嗣に食べさせろと色々持たされたのだ。
如何にもお年寄りらしい行動に、苦笑しつつも陽炎が揺らめく道を行く。
もう少しで神社へ続く石段が見えるところまで来ると、途端に叶海の頬を冷えた風が撫でて行った。嫌な予感がして空を見上げると、いつの間にやら真っ黒な雲が迫ってきているではないか。
「……あ。雨!」
その瞬間、ぽつんと水滴が落ちてきた感触がして、叶海は大慌てで走り出す。洗濯物を干しっぱなしだったことを思い出したからだ。
とんとんと調子よく石段を駆け上る。その間にも水滴が次々と空から降ってきて、叶海はやや焦りを感じながら上っていった。
すると、叶海が石段の最上段を踏みしめた時だ。
本降りになる前に到着できたと、安堵の息を漏らした叶海の耳に、バリバリと生木を引き裂くような嫌な音が届く。耳をつんざくような轟音に、勢いよく顔を上げた叶海は、境内に異形の姿を見た。
手には幸恵たちから貰った大量のお土産。雪嗣に食べさせろと色々持たされたのだ。
如何にもお年寄りらしい行動に、苦笑しつつも陽炎が揺らめく道を行く。
もう少しで神社へ続く石段が見えるところまで来ると、途端に叶海の頬を冷えた風が撫でて行った。嫌な予感がして空を見上げると、いつの間にやら真っ黒な雲が迫ってきているではないか。
「……あ。雨!」
その瞬間、ぽつんと水滴が落ちてきた感触がして、叶海は大慌てで走り出す。洗濯物を干しっぱなしだったことを思い出したからだ。
とんとんと調子よく石段を駆け上る。その間にも水滴が次々と空から降ってきて、叶海はやや焦りを感じながら上っていった。
すると、叶海が石段の最上段を踏みしめた時だ。
本降りになる前に到着できたと、安堵の息を漏らした叶海の耳に、バリバリと生木を引き裂くような嫌な音が届く。耳をつんざくような轟音に、勢いよく顔を上げた叶海は、境内に異形の姿を見た。

