すると、叶海は自信なさげに肩を落とした。
「……ありがとう。でも、いいのかなって思ったりもするんだ。雪嗣……龍神様はこの村にとって大切な存在でしょう? 私、迷惑じゃないかなって思うんだよね」
押しかけ女房として半ば強引に同棲している現状、正直今更な悩みだとは思う。
しかし、龍沖村と雪嗣は運命共同体と言っても過言ではない。そんな雪嗣へ、自分勝手に感情を押しつけていることに、叶海は後ろめたさを感じていた。
すると、幸恵たちは顔を見合わせると、途端に噴き出した。
「アハハハハ! なに言ってんだあ、叶海!」
「可愛いなあ。恋してるからだろうな。恋の最中はいつだって不安でいっぱいだもの」
幸恵たちは、元々皺くちゃの顔を更にシワシワにさせて豪快に笑い、叶海の背中を乱暴に叩きながら言う。
「今は自由恋愛の時代だろ? 神様とか関係ねえべ。そもそも、これくらいのことで龍神様がこの村を去るわけねえ。それに、龍神様へ嫁にしてくれって押しかけたのは、なにも叶海が初めてじゃねえし」
……どうやら、今までも雪嗣へアプローチしていた女性がいたらしい。
あれだけ整った容姿だ。神であることを除いても、誰かを虜にしてもおかしくはない。そのことに思い至ると、叶海は変な顔になった。今まで敗れていった女性たちの存在を、上手く呑み込めそうになかったからだ。
「龍神様も、本気で嫌なら叶海を追い出すべ。細けえことは気にすんな。心のままにガンガンいけばいいとオラは思う」
祖母の温かな言葉に、胸のつかえが取れた叶海は、照れながら頷いた。
「うん。わかった。……ありがと」
「……ありがとう。でも、いいのかなって思ったりもするんだ。雪嗣……龍神様はこの村にとって大切な存在でしょう? 私、迷惑じゃないかなって思うんだよね」
押しかけ女房として半ば強引に同棲している現状、正直今更な悩みだとは思う。
しかし、龍沖村と雪嗣は運命共同体と言っても過言ではない。そんな雪嗣へ、自分勝手に感情を押しつけていることに、叶海は後ろめたさを感じていた。
すると、幸恵たちは顔を見合わせると、途端に噴き出した。
「アハハハハ! なに言ってんだあ、叶海!」
「可愛いなあ。恋してるからだろうな。恋の最中はいつだって不安でいっぱいだもの」
幸恵たちは、元々皺くちゃの顔を更にシワシワにさせて豪快に笑い、叶海の背中を乱暴に叩きながら言う。
「今は自由恋愛の時代だろ? 神様とか関係ねえべ。そもそも、これくらいのことで龍神様がこの村を去るわけねえ。それに、龍神様へ嫁にしてくれって押しかけたのは、なにも叶海が初めてじゃねえし」
……どうやら、今までも雪嗣へアプローチしていた女性がいたらしい。
あれだけ整った容姿だ。神であることを除いても、誰かを虜にしてもおかしくはない。そのことに思い至ると、叶海は変な顔になった。今まで敗れていった女性たちの存在を、上手く呑み込めそうになかったからだ。
「龍神様も、本気で嫌なら叶海を追い出すべ。細けえことは気にすんな。心のままにガンガンいけばいいとオラは思う」
祖母の温かな言葉に、胸のつかえが取れた叶海は、照れながら頷いた。
「うん。わかった。……ありがと」

